2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20599014
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
小倉 裕範 琉球大学, 医学研究科, 助教 (60304557)
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Keywords | 感染免疫 / Caspase-1 / NALP3(NLRP3) / IPAF(NLRC4) / Danger signal |
Research Abstract |
本研究では、ふたつのカスパーゼ1制御性NLRタンパク質、NALP3とIPAFのリガンドを探索・同定するために、ふたつの方法を計画した。平成22年度の進展を下に記す。 計画(1)「NALP3およびIPAFに結合するタンパク質の探索」:リガンドがタンパク質である可能性を考え、共役沈降法によるインフラマソーム結合タンパク質の探索を試みたが、リガンドの候補となるタンパク質分子を見出すことはできなかった。 計画(2)「無細胞系によるNALP3およびIPAF経路の再構成」:細胞の破砕液中でのシグナル伝達経路の再構成を目指し、条件決定のための試行を繰り返したが、溶液中でのNALP3あるいはIPAFの活性化を示す証拠は得られなかった。しかし、NALP3およびIPAFによるシグナル伝達の下流因子であるASCタンパク質の活性化=重合体形成が細胞破砕液中で進行することが確認され、ASCの重合はカリウム濃度、カルシウム濃度、細胞破砕の方法に影響されることが確認された。細胞の破砕法がASCの重合に影響することから、ASCの重合には何らかの細胞内構造が保持される必要があると考えられ、ASC重合体の細胞内局在を免疫電顕法および免疫蛍光染色法により検討したところ、(1)ASC重合体は細胞質に存在し、(2)特定の膜構造と関連するようには観察されないこと、(3)オスミウム/ウランに染色されない繊維状の構造物に支持されているように観察されることが判明した。現在、この繊維状の構造物の特定を試みている。またNALP3の活性化への塩素イオン濃度の影響を検討したところ、塩素イオンに強く影響を受ける細胞とそうではない細胞があることが見出された。現在、無細胞における塩素イオンの影響を検討し、また塩素イオンへの感受性を決める因子を明らかにすることを計画している。
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Research Products
(2 results)