2008 Fiscal Year Annual Research Report
理工系大学・学部における女子学生低比率の構造分析~ジェンダー平等に向けて
Project/Area Number |
20600004
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
河野 銀子 Yamagata University, 地域教育文化学部, 准教授 (10282196)
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Keywords | 理工系人材 / 大学入試 / ジェンダー / 高大接続 |
Research Abstract |
本研究は, 理工系大学・学部に女子が少ない実態の詳細を探り, その背景を大学の構造的側面に注目して検討しようとするものである. 平成20年度の主目的は, 日本国内の理工系大学・学部をリストアップし, 女子学生数を把握することであった. リストアップにあたっては, 受験生の目線に立ち, 受験雑誌や教育産業が「理工系」と分類したものを利用したところ, 228大学(国立59, 公立21, 私立148), 394学部(国立110, 公立31, 私立253)が該当した. これらの理工系大学・学部の一般入試・AO入試等での入学者数を各大学学部のホームページで調べたところ, 29大学, 267学部のデータが入手できた. これは対象大学の12.7パーセントにとどまっており, ジェンダー統計の公表が一般化していないことがわかった. そこで, インターネットでは情報収集ができなかった大学・学部に対し, 郵送法による調査を実施したところ, 105大学176学部から回答があった.郵送による回答がなかった大学・学部には電話による調査を実施し, 21大学45学部から回答があった. このような手順で, 入学者に占める女子学生比率を分析したところ, 女子学生比率が50パーセントを超えているのは女子大学5校を含む24大学・学部(大学の約14%, 学部の約8%), 30パーセントを超えているのは前出の大学・学部を含む61学部(学部の約21%)であった. 一方, 女子学生比率が10パーセントを下回ったのは, 71学部(約24%)であった. 以上は, 報告書として印刷し, 希望のあった大学に送付するなど公表している.
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