2009 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性メディエーターによるDRGニューロンの感作メカニズム
Project/Area Number |
20602017
|
Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
戴 毅 Hyogo University of Health Sciences, 薬学部, 准教授 (20330441)
|
Keywords | P2X3 / ATP / PAR2 / PKA / PKC / inflammation / pain |
Research Abstract |
炎症性疾患において、局所に多数の炎症性メディエーターが放出され、その近傍にある感覚神経を刺激あるいは感作させることで、炎症性疼痛が引き起こされる。本研究は炎症性メディエーターによる疼痛関連受容体の機能調節に着目し、炎症性疼痛の発症メカニズムにおける疼痛関連受容体感作の役割を解明することを目的とする。H21年度の研究期間内に以下の実験を行った。 炎症性メディエーターによるP2X3チャンネル機能調節の解析(Patch Clamp法) まずラット後根神経節初代培養神経細胞を用いて実験を行った。α,βmethylene-ATPによって惹起した内向き電流を、whole cell patch clamp法で測定した。その後炎症性メディエーターである活性物質(Bradykininとtrypsin,SL-NH2)をアプライしながら、ATP電流を測定し、増強の有無を検討した。SL-NH2やtrypsinなどPAR2のアゴニストはα,βmethylene-ATP電流をpotentiateすることが明らかにした。アゴニストやcurrentの特性からP2X3チャンネル電流であることを推定した。 つぎに、P2X3の下流シグナルを応じて、PKC,PKA,MAPKなどのinhibitorやactivatorを投与し、PAR-2とP2X3間のシグナル伝達経路を同定した。α,βmethylene-ATPによるP2X3チャンネルの活性増強効果はPKAおよびPKCのinhibitorによって完全にblockされることを見いだした。さらにPKAやPKCのactivatorは直接P2X3チャンネルの活性を増強するデータが得られた。 以上の結果から炎症性疼痛の発症メカニズムとして、プロテァーゼに介したATP受容体の機能亢進が関与する可能性が示唆された。
|
Research Products
(5 results)