2008 Fiscal Year Annual Research Report
大学発ベンチャーの知的財産マネジメントにおける外部資源活用実態の日米英比較研究
Project/Area Number |
20607002
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
桐畑 哲也 Kyoto University, 経営管理研究部, 准教授 (60379542)
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Keywords | 知的財産 / 大学発ベンチャー / 外部資源 / 日米英比較 / アントレプレナーシップ / ロールモデル / ネットワーク / シードキャピタル |
Research Abstract |
今年度は、日本及び米国の大学発ベンチャーに対するインタビュー調査を実施した。インタビュー調査からは、米国の大学発ベンチャーは、日本の大学発ベンチャーと比べて、知的財産マネジメントにおける外部資源活用に関して、より多様なルート、より潜在的資源を有`している具体的事例が、大学発ベンチャーの設立以前段階から成長段階を問わず、多数確認できた。これは、申請者が、本研究プロジェクトの実施以前に、日米英のそれぞれの大学発ベンチャーを対象として実施した質問票調査の結果を裏付けるものであった。日米のインタビュー大学発ベンチャーの事例調査から日米の相違として特に記すべきは、対象大学発ベンチャーの出身大学及び地域に存在するロールモデルとしての成功企業家、さらには、投資先に深くコミットするエンジェル、シードキャピタルの存在であろう。設立以前のアントレプレナーシップマインドの醸成、設立後の動機付け、さらには、資金、人材等、フォーマル、インフォーマルなネットワークを通じて、当該大学発ベンチャーの外部資源活用におけるキーとなる役割を果たしていることが、具体的事例として確認された。次年度は、日本と同様に1990年代後半に、大学発ベンチャー数が、急増した英国の事例研究を中心に行う。アントレプレナーシップ環境については、あらゆる面でアドバンテージを有する米国の事例研究以上に、日本へのインプリケーションの点では期待ができる。今年度の研究、さらに本研究以前に実施した英国の大学発ベンチャーに対する質問票調査をベースに個別事例の詳細な研究を進めたい。
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