2010 Fiscal Year Annual Research Report
大学発ベンチャーの知的財産マネジメントにおける外部資源活用実態の日米英比較研究
Project/Area Number |
20607002
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
桐畑 哲也 甲南大学, マネジメント創造学部, 准教授 (60379542)
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Keywords | 知的財産 / ベンチャー / マネジメント / 大学発ベンチャー / 外部資源 |
Research Abstract |
本研究プロジェクトの最終年度である当該年度は、これまでの研究を踏まえて、研究成果のまとめ(桐畑哲也(2010A)『日本の大学発ベンチャー-転換点を迎えた産官学のイノベーション-』,京都大学学術出版会)に注力すると共に、大陸欧州の大学発ベンチャーの現状と課題に関するインタビュー及び文献リサーチを補強し、日本の大学発ベンチャーの固有の特質について、さらに深く分析を行った。上記、桐畑(2010A)では、外部連携はもちろん、顧客、資金、人材等の論点について、日本の大学発ベンチャーの特質を述べた上で、日本の大学発ベンチャーの知的財産マネジメントの大きな課題の1つとして、大学発ベンチャーという非常にハイリスクな先端技術の事業化形態でありながら、そのリスクに見合うリターンを、知的財産マネジメント全体にわたって、十分意識、考慮したものになっていない事例が散見される点を指摘している。大学発ベンチャーは、英米及び大陸欧州の成功事例においては、ハイリスクを前提とした大学発ベンチャー特有の知的財産マネジメントが、様々な外部のプロフェッショナル集団との有機的な連携を可能としており、ここでは、この点を記しておきたい。 また、本研究プロジェクトは、実務、教育へのインプリケーションを研究開始時点から重視してきたが、当該年度においても、女性起業家向けの書籍の出版(桐畑哲也(2010B)「ビジネスアイディアの事業性分析」京都大学女性起業家プロジェクトチーム編著『女性のための起業家セミナー』,本の泉社,47-69頁)、ひらめき☆ときめきサイエンス~ようこそ大学の研究室へ「みんなで考える、知的財産、ニュービジネス」の開催、及び、大学発ベンチャー起業家への支援、交流、コミュニケーションの過程等で、本研究成果のフィードバックに力を入れた。
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