2008 Fiscal Year Annual Research Report
Gemininのユビキチン化による造血幹細胞の活性制御機構の解析
Project/Area Number |
20610003
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
安永 晋一郎 Hiroshima University, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (50336111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大坪 素秋 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (10211799)
瀧原 義宏 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (60226967)
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Keywords | 再生医学 / ユビキチン化 / Geminin / ポリコーム複合体 / HOXB4 / 造血幹細胞 |
Research Abstract |
報告者の研究グループは、造血幹細胞活性を支持するのに必須の役割を果たしているポリコーム複合体1(Ring1 A=Bmi1=Rae28=Scmh1)がGemininに対するE3ユビキチンリガーゼ活性を持つことをすでに明らかにしていたが、平成20年度の研究によりRae28またはScmh1を欠いた複合体では、Gemininに対するE3ユビキチンリガーゼ活性が完全に消失することを新たに明らかにした。このことは、Rae28とScmh1が直接結合することやScmh1がポリコーム複合体1とGemininとの結合ドメインを提供することなどの報告者らが見出した知見によく合致した実験結果である。 また報告者らは同様の実験系を用いて、造血幹細胞制御の重要な内的因子であるHOXB4が、Cul4a=ROC1=DDB1ユビキチンリガーゼコアコンプレックスと複合体をつくり、Gemininに対するE3ユビキチンリガーゼ活性を持つに至ることを世界に先駆け証明した。Geminin結合能が阻害されたHOXB4変異体では、Gemininに対するユビキチン化能もまた完全に失われた。 報告者らは、ポリコーム複合体1のメンバーのひとつであるRae28の欠損によりもたらされる造血幹細胞活性の低下が、HOXB4遺伝子の導入により遺伝学的に完全に相補されることを見出しており、それぞれ異なるGemininのユビキチン化制御機構が、造血幹細胞の活性制御に根幹的な役割を果たしていると考え解析を進めている。
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Research Products
(2 results)