2008 Fiscal Year Annual Research Report
"生物学的等価性"に重点をおいた新規4'-セレノRNAの合成と性能・機能解析
Project/Area Number |
20611001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
南川 典昭 Hokkaido University, 大学院・先端生命科学研究院, 准教授 (40209820)
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Keywords | ヌクレオシド / RNA / 4'-セレノRNA / 生物学的等価性 / セレン |
Research Abstract |
本研究では天然型RNAと"生物学的等価性"を維持し, 且つヌクレアーゼ抵抗性や熱的安定性などの機能が付与された化学修飾核酸分子の創製とその機能評価を目的とする. 具体的には, 酸素原子と同族元素であるセレン原子を糖部4'位に導入した4'-セレノRNAの合成と性能の解析を行なう. 初年度である平成20年は, 1)4-セレノ糖の合成法を確立するとともにseleno-Pummerer型反応を行ない4'-セレノウリジンならびに4'-セレノシチジンの合成を行なった. 2)反応の検討において, seleno-Pummerer反応と4-チオ糖を用いるPummerer反応の反応性の差異を明らかに出来た. 3)また合成した4'-セレノウリジンのX線結晶解析を行ない, ウリジンと全体構造に大きな違いがないことを明らかにした. 4)合成した4'-セレノリボヌクレオシドを含むRNA(4'-セレノRNA)をホスホロアミダイト法によって合成した. 5)4'-セレノRNA合成において, 合成収率が極めて低かったため糖部2'位の保護基を検討し, TBS基をTOM基に変更する. ことにより合成収率を向上させることに成功した. 6)合成した4'-セレノRNAを含む2本鎖核酸の高次構造と熱的安定性の評価を行った. その結果, 天然型RNA二本鎖と同様, A型らせん構造をとり, また2本鎖核酸を熱的に安定化することが明らかとなった. これにより4'-セレノRNAが申請者の期待した機能をもった化学修飾核酸であることが示唆された. 平成21年度以降は, 性質解析を継続して行なうとともに, ヌクレオシド三リン酸体の合成を行い, 4'-セレノRNAの酵素合成を目指す.
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Research Products
(3 results)