2009 Fiscal Year Annual Research Report
"生物学的等価性"に重点をおいた新規4'-セレノRNAの合成と性能・機能解析
Project/Area Number |
20611001
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
南川 典昭 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (40209820)
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Keywords | ヌクレオシド / RNA / 4'-セレノRNA / 生物学的等価性 / セレン |
Research Abstract |
本研究では天然型RNAと"生物学的等価性"を維持し、且つヌクレアーゼ抵抗性や熱的安定性などの機能が付与された化学修飾核酸分子の創製とその機能評価を目的とする。具体的には、酸素原子と同族元素であるセレン原子を糖部4'位に導入した4'-セレノRNAの合成と性能の解析を行なう。平成21年度は、1 ; 4'-セレノRNA合成のためのヌクレオシドユニットの改良合成法の開発を行なった。その結果、超原子価ヨウ素を用いることによって不安定なセレノキシド体を経由せずに4'-セレノリボヌクレオシドを収率よく合成する方法を見いだした。2;平成20年度に、糖部2'位の保護基を検討し,TBS基をTOM基に変更することにより4'-セレノリボヌクレオシドをRNAオリゴマーに導入することに成功している。今年度は、導入数をさらに増やしたRNAオリゴマー合成を検討したが、望みとするオリゴマーは得られなかった。このことから、合成収率が低いのは糖部2'位の保護基によるものだけではないことが示唆された。3;この結果を受け、2'-OMe-4'セレノRNA体の合成を検討することにした。これにより4'-セレノRNAの合成が、天然RNAや4'-チオRNAと比べて困難な理由が明らかに出来ると考えた。また2'-OMe-4'セレノRNAの方が、より高いヌクレアーゼ抵抗性を有することが期待される。現在、2'-OMe-4'-セレノウリジンならびにシチジンの合成を完了している。 平成22年度以降は,2'-OMe-4'セレノRNAの合成を検討するとともに、ヌクレオシド三リン酸体を合成し,酵素的な手法による4'-セレノRNAの合成を目指す。また合成した4'-セレノRNAあるいは2'-OMe-4'セレノRNAを用いたRNA干渉法による遺伝子発現抑制実験を行なう。
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Research Products
(11 results)