2009 Fiscal Year Annual Research Report
水溶性NF-κB阻害剤のデザイン・合成と卵巣癌の抑制
Project/Area Number |
20611015
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
梅澤 一夫 Keio University, 理工学部, 教授 (70114402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須貝 威 慶應義塾大学, 薬学部, 教授 (60171120)
阪埜 浩司 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70265875)
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Keywords | DHMEQ / NF-κB / 卵巣癌 / 分子デザイン / 腹腔内播種 / 浸潤 / 転移 / 抗癌剤 |
Research Abstract |
卵巣癌細胞RMG1を用いて、21年度に続き、浸潤の機構を調べた。CXCR4のリガンドであるCXCL12がRMG1細胞により産生され、CXCR4と同様にNF-κBに依存していることがわかった。さらにCXCR4のノックダウンにより、in vitro浸潤が抑制されること、および浸潤活性化タンパク質MMP-9およびuPA-1の発現が抑制された。また、MMP-9の阻害剤は浸潤を抑制した。これらのことからNF-κB~CXCL12/CXCR4軸~MMP-9~細胞浸潤のシグナル伝たち経路が存在することが示唆された。一方、共同研究により、DHMEQのエポキシキノールアミンにサリチル酸でなくallyloxycarbonyl構造をつけた化合物を分子デザイン・合成した。この化合物はNF-κB阻害活性を示し、メタノールに溶けるようになった。また興味深いことに、epoxyとOHのsynとantiに関して、DHMEQの持つsynよりもantiのほうが強い阻害活性を示し、それでもanti機構としてのpanepoxydoneと異なってIKKは阻害しなかった。(梅澤)水溶性DHMEQ誘導体合成に不可欠な前駆物質を大量かつ再現性よく合成する検討を行った。重要な中間体をグラムスケーでも良い収率が得られるようになった。(須貝)一方、RMG1のマウス移植モデルを確立し、DHMEQ(12mg/mlまたは15mg/ml)の単剤投与を行なった。DHMEQ投与により、腫瘍サイズおよび重量の減少傾向が見られた。またCD-DST法による抗癌剤感受性試験の結果から、卵巣癌治療において重要な複数の抗癌剤に対しRMG1が抵抗性を持つこと、それらの抗癌剤とDHMEQの併用によりRMG1の薬剤感受性が高まることが確認された。(阪埜).
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Research Products
(49 results)