2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20612018
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
鈴木 淳市 Japan Atomic Energy Agency, J-PARCセンター, 研究主幹 (40354899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥 隆之 独立行政法人日本原子力研究開発機構, J-PARCセンター, 研究副主幹 (10301748)
篠原 武尚 独立行政法人日本原子力研究開発機構, J-PARCセンター, 研究員 (90425629)
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Keywords | パルス中性子 / 集光光学 / 六極磁石 |
Research Abstract |
低エネルギー中性子は、物質透過能力、水素等の軽元素識別能力、同位体識別能力、磁気解析能力等の他に無い優れた特徴を持つ物質科学、生命科学における不可欠な構造解析プローブである。しかし、利用できる中性子ビームの輝度は、大強度中性子施設といえども放射光施設等に比べて絶対的に不足しており、このことが中性子の適用範囲に制限を与えている。 中性子の幅広い分野での利用を可能とするためには、中性子ビームを高精度かつ高効率に制御する中性子光学技術が不可欠な要素となる。我々は六極磁場が中性子の高精度かつ高効率な制御に極めて有効であることを最近の研究から見出した。そこで、本研究課題では、複数の六極磁石を直列配置した多重連結磁石を構成し、これにより広い波長帯域の白色中性子ビームを高精度かつ高効率に集光する手法を世界に先駆けて開拓することを目的とする。平成21年度は、前年度までに性能評価した六極磁石間に挟む磁場接続コイルと中性子スピン反転器のJ-PARCの大強度パルス中性子源への応用を目指して、中性子小中角散乱装置に搭載するための設計と性能評価を行った。装置のq分解能の向上に波長が約8Aの中性子の集光が有効であることを見積もり、二重連結磁石により7.8~8.2Aの中性子を前方約5.6mに置かれる小角検出器に集光できることを明らかにした。この結果、中性子小角散乱装置のq分解能の向上を従来の装置に比べて高効率に行える可能性が高まった。
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