2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20650095
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
三宅 紀子 Tokyo Metropolitan University, 大学院・人間健康科学研究科, 助教 (60137023)
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Keywords | 身体像(ボディイメージ) / 描画分析 / 再検査信頼性 / 身体満足度 / 身体関心度 |
Research Abstract |
描画テストは描画者の情報を豊富に内包していると評価される反面で、テスト結果である描画は不安定で容易に変化する側面があると先行研究で指摘されている。そこで身体描画法の再検査信頼性が立証されるかどうかを検討した。 同一の被検者21名に2週間の間隔をおいて、同一の手続きにより身体描画法を実施し、得られた2組の描画について描画の大きさ、描画の身体部位のサイズ、描画の偏差合計、用紙上の描画位置、描線の特徴、描画の形態上の特徴について分析、検討した〔偏差合計:身体部位11箇所について写真を基準にしたときの描画の偏差を算出し、それを加算したものを偏差合計として身体像の認知の歪みの指標として用いた〕。 その結果、全42項目中38項目において1回目の描画と2回目の描画に差異が認められなかった。それに加え、ほとんどの相関係数が0.5、あるいはそれ以上の高い係数を示した。これは描写部分を量的に比較した場合、バウムテストや風景構成法などの他の描画テストに比して大変安定していると結論づけられる。身体描画法は描画を描く前に写真撮影を行い、その後「先ほどの写真撮影を思い浮かべて、自分のからだの全身をできるだけ正確に描いてください。」という教示により実施される。それゆえ自分のからだに対する現実的な検討力を引き出す設定となり、体という媒体があるために量化的な表出は安定しているものと考えられる。これより身体描画法による描画の安定性は確保されるのではないかと考察され、身体描画法の再検査信頼性は立証されたと結論づけられる。
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Research Products
(5 results)