2008 Fiscal Year Annual Research Report
健全な神経発達の為に新生児期の血液脳関門がもつ機能性脂質供給ルート解明と投与設計
Project/Area Number |
20650125
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
友廣 岳則 University of Toyama, 大学院・医学薬学研究部(薬学), 准教授 (70357581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細谷 健一 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(薬学), 教授 (70301033)
赤沼 伸一 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(薬学), 助教 (30467089)
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Keywords | 食と栄養 / 必須脂肪酸 / 新生児 / 血液脳関門 / ドコサヘキサエン酸 / 光反応性プローブ / プロテオミクス |
Research Abstract |
"授業中にじっとしていられない"などの行動異常を示す注意欠陥多動性障害(ADHD)は深刻な社会問題となっている。しかしながら、ADHDの発症メカニズムの解明や予防法の確立は著しく停滞している。ADHDの発症には、脳の発達期に供給されるべき機能性脂質を初めとした、脳内栄養因子の欠乏が原因の一つと考えられており、最近では特にドコサヘキサエン酸(DHA)のADHDに対する改善効果が新たに報告されている。本研究ではADHDに対する改善効果が認められているDHAに着目し、DHAの関門組織を介した供給ルートを明らかにすることを目的とした。この供給ルートを探る上でDHAの輸送に関与する「輸送担体」を同定することは重要であるものの、これまでDHAを輸送するタンパク質について報告はなされていない。そこでDHAを輸送するタンパク質をプロテオミクスによって同定するため、DHAのカルボキシル基に紫外線照射によってDHA結合タンパク質をラベリングするためのジアジリン基とタンパク質精製用のビオチン修飾を施した「光反応性DHAプローブ」を合成した。体内DHA含有量が多い網膜をモデルとし、この光反応性DHAプローブの特異性をstreptoavibin-HRPを用いたwestern blot法にて評価した。ブタ網膜と光反応性DHAプローブをインキュベート後western blotを行った結果、複数のバンドが検出され、それらのバンドの一部は過剰量のDHAによって消失した。よって、作成したDHAプローブはnativeなDHAとしての結合活性を有していることが示され、本プローブを用いることでプロテオミクスのアプローチからDHA輸送担体を同定することが可能であることが示唆された。
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Research Products
(2 results)