2008 Fiscal Year Annual Research Report
ファンコニ貧血経路の真のターゲットは内因性ホルマリンによる蛋白質ゲノム架橋か?
Project/Area Number |
20651014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高田 穣 Kyoto University, 放射線生物研究センター, 教授 (30281728)
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Keywords | ファンコニ貧血 / メダカ / BRCA2 / 家族性乳がん |
Research Abstract |
ファンコニ貧血(FA)はまれな小児の遺伝性疾患で、臨床的には進行性の骨髄不全、高発がん性(白血病、扁平上皮がん)、骨格異常が特徴的である。患者由来の細胞はシスプラチンやマイトマイシンCなどのDNAクロスリンク薬剤に極度に感受性である。現在、13の原因遺伝子/相補群(FANCA、B、C等)が知られており、その産物はFA経路と呼ばれる共通の生化学経路で機能するものと考えられる。しかし、FA経路が実際に細胞内でどのようなDNAダメージを修復しているのかは、現在全く不明である。最近、正常細胞の代謝産物であり、血液中にも含まれているフォルムアルデヒドに対して、FA分子の欠損細胞(BRCA2/FANCD1と、FANCD2の欠損細胞)が特に高いフォルムアルデヒド感受性を示す事が報告された。本研究では、フォルムアルデヒドに対するFA分子の応答を解析し、メダカのFAモデルの作成を通じて、フォルムアルデヒドとFAとの関係を調べる。 1. DT40細胞においてフォルムアルデヒド添加によるFANCD2モノユビキチン化を解析した。100μM1時間処理にて、D2はモノユビキチン化されたが、その至適濃度は狭く、25μMと250μMではほとんど変化が検出できなかった。また同濃度で、Chk1のリン酸化も検出された。 2. メダカのFAモデルの作成のため、京都大学医学部放射線遺伝学の谷口准教授と共同で、メダカBRCA2遺伝子の変異を彼らの作成した変異メダカライブラリーでスクリーニングした。 I2164T, F2110L, N2192S,V2132E, S2181P,などのミスセンス変異が同定されたが、V2132E以外は保存されたアミノ酸残基への変異ではなく、V2132EもこれによってBRCA2の機能にどのくらいのインパクトがあるか不明である。さらに次年度でスクリーニングを再度試みることとする。
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Research Products
(6 results)