2008 Fiscal Year Annual Research Report
日本における災害被害と防災サイクルのジェンダー分析
Project/Area Number |
20651066
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
池田 恵子 Shizuoka University, 教育学部, 准教授 (60324323)
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Keywords | 防災 / ジェンダー分析 / 地震 |
Research Abstract |
本研究は、日本における災害被害の男女差の実態を解明し、防災サイクルをジェンダー分析の手法により検討し、防災サイクルのジェンダー課題に関する情報を整理して提示することである。 本研究の初年度は、研究代表者が在外研究から帰国した10月から実施した。 まず、災害におけるジェンダー課題をどう規定するか、研究動向の整理・吟味を通して基礎概念の規定を行った。身体的被害、家屋や生計手段の損害など経済的被害のみならず、ジェンダーの観点から重要だと思わる不安感や孤立感、労働負担の変化、復興支援へのアクセスの困難などの社会的・心理的側面も含め検討した。また「社会的包摂」や「社会保護」などの概念と、防災以外の社会政策分野における適応を検討した。そのため、阪神淡路大震災と新潟県中越地震に関する社会科学的な先行研究資料、その他の資料を購入した。これらの資料をもとに、両被災地で活動する市民団体や研究者に関する情報を収集し、既存の類似の調査研究の成果などに関するインタビューを行った。来年度実施予定の聞き取り調査のための準備として、対象を選定し、主要な調査項目を作成した。 当初、この作業に先駆けて、神戸市と小千谷市(長岡市に変更)において、身体的被害と経済的被害について罹災証明書発行記録などの統計を収集し、被害の男女差を把握する予定であったが、活動する市民団体との信頼関係を築くことがとりわけ新潟においては重要であるとの認識から、この作業を来年度に行うこととした。
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Research Products
(4 results)