2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20653014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大竹 文雄 Osaka University, 社会経済研究所, 教授 (50176913)
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Keywords | 労働経済学 / 男女間賃金格差 / 出来高給 |
Research Abstract |
本研究では、男性は女性と比べて、自身の成果のみに依存した報酬体系よりも他人の成果にも依存する報酬体系を好むのか否か、その理由な何かについて、日本人学生を対象に計算問題の回答というタスクへの報酬支払い実験を行うことで原因の解明を試みた。分析の結果は次の通りである。(1)男女で計算問題回答数に関するパフォーマンスの差はないが、女性より男性のほうが競争的報酬体系(トーナメント制報酬体系)を選択する確率が高い。(2)そのトーナメント参入の男女差の大部分は、男性が女性よりも自信過剰であることに起因する。(3)男女構成比は自信過剰に影響を与える。男性は女性がグループにいると自信過剰になり、女性は男性がグループにいないと自信過剰になる。(4)予想順位を自信過剰の代理変数とすると男性のほうが女性より競争を好むためであるという説明は限定的であるが、平均的な実際の順位と予想順位の差から定義した自信過剰変数を用いて分析すると、トーナメント参入の男女差は競争への嗜好の男女差で説明される。 また、本年度は、男女のグループ構成が実験結果に影響を与えているか否かを、より厳密に分析するために、追加的な経済実験を行った。具体的には、女性の比率や男性の比率が多い場合に、男女それぞれの競争的報酬制度への選好が異なるか否かを明らかにするための実験を新たに行った。さらに、次年度のために、計算問題タスク以外のタスクを被験者に課することが可能なように、経済実験プログラムの修正作業を行った。
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Research Products
(8 results)