2008 Fiscal Year Annual Research Report
ニューロエコノミクスの研究拠点形成に向けて:金融理論の基盤再考
Project/Area Number |
20653017
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
筒井 義郎 Osaka University, 大学院・経済学研究科, 教授 (50163845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大竹 文雄 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (50176913)
藤田 一郎 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (60181351)
晝間 文彦 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (00063793)
高橋 泰城 北海道大学, 社会科学実験研究センター, 博士研究員 (60374170)
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Keywords | ニューロエコノミクス / 時間割引率 / 危険回避度 / f-MRI / 金融論 |
Research Abstract |
本課題では、喫煙が時間割引にもたらす影響を調べる。まず、本年度には行動実験を行い、来年度にはその結果を検討し、思うような結果が得られていれば、その結果に基づいて、脳科学実験を設計する。そこで、まず、非喫煙者と喫煙者を比較し、喫煙者については、12時間断煙した状態と、喫煙した状態での時間割引を測定する。喫煙者の時間割引については、お金についてだけでなく、数週間先のタイムスパンでタバコ数箱を受け取るという想定での質問、さらに、実験終了後に数十分というタイムスパンでタバコ数本を吸うかどうかについての質問をし、タバコについての時間割引も測定した。お金と数箱のタバコについては、実際の支払いをしない仮想的な質問であるが、タバコの吸飲については、被験者の選択通りの時刻に吸ってもらった。この実験は、早稲田大学商学部(書間研究室)において、11月末から12月中旬の土日の計6日と2月末の2日間に、計約100名の被験者を対象に実施された。 研究代表者の筒井と書間、そして、分担者の高橋らは、緊密にメール等で連絡をとりつつ計画を実行した。とりわけ、7月には筒井、書間、山根が北海道大学の高橋を訪れて、具体的な実験計画を数日にわたって検討した。11月上旬には筒井が早稲田大学(書間研)を訪れて、書間研の院生および実験のスタッフの指導をした。11月27日、28日の最初の実験日には、筒井は大阪大学の実験スタッフと共に早稲田大学を訪れて実験を実施すると共に、来年度大阪大学で同様の実験をするためのスタッフの訓練をした。3月4日、5日には、筒井、高橋、山根が書間研を訪問して、早稲田の研究協力者(上條氏)らと、実験結果について議論した。 このようにして、現在、多数の被験者の行動実験が完了し、その結果の解析をしている。若干の改良を施した行動実験を来年度に大阪大学にて実施する予定である。
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