2009 Fiscal Year Annual Research Report
日中両国の相互理解を育む教材・副教材の開発に向けた基礎研究
Project/Area Number |
20653070
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
矢淵 孝良 Kanazawa University, 外国語教育研究センター, 教授 (30135602)
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Keywords | 日中関係 / 相互理解 / 教材開発 |
Research Abstract |
本年度の研究内容は大きく二つに分かれる。一つは教材(副教材を含む。以下同じ)開発に向けた翻訳作業であり,一つは資料・情報の収集である。 翻訳作業については,前年度の聴き取り調査をふまえ,日本側教員の評価が高かった作品,あまんきみこ氏の「雲」を翻訳した。21年の7月末から8月初めにかけて,北京師範大学を訪問した折,外国語言文学学院の王志松教授,?東娜教授ら,日文系の教員と懇談する機会があり,携行していた翻訳を示したところ,内容は面白いが表現が硬すぎる,注釈を加えないと理解できないところがある等の意見が出された。また,文学作品だけでなく,例えば被爆体験者の手記を翻訳したらどうかというアドバイスもあった。22年度の翻訳に当たっては,このような意見・アドバイスを参考にしながら作業を進める予定である。一方,中国小説では,蕭紅の「蓮花池」を翻訳し,日本の中学校の教員に示したところ,日本の中学生には理解できないのではないかとの評価を受けた。より易しい作品を翻訳する方向で検討中である。 資料・情報の収集については,随時,関連図書を購入する一方,3月,広島平和記念資料館,長崎原爆資料館を訪れ,被爆者の手記を中心とする文献の収集を行った。計画では8月に実施する予定であったが,新型インフルエンザの拡大期と重なり,時期の変更を余儀なくされた。なお,収集した文献資料については,22年度の翻訳作業に活用する予定であり,映像資料については,教材化の作業に活用する予定である。
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