2009 Fiscal Year Annual Research Report
再生核ヒルベルト空間による逆問題数値解析手法の開発
Project/Area Number |
20654011
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 昌宏 The University of Tokyo, 大学院・数理科学研究科, 准教授 (50182647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
代田 健二 茨城大学, 理学部, 准教授 (90302322)
斉藤 宣一 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 准教授 (00334706)
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Keywords | 逆問題 / 正則化 / 再生核 / 変分法 / 応用数学 |
Research Abstract |
逆問題に対して、再生核ヒルベルト空間ならびに多重スケール核に基づいて、多次元の任意形状をもつ領域における数値解析手法の研究と開発を目指した。心電図に関連した逆問題や地球内部の弾性波の速度分布の決定など、未知の物性値を表面近くの観測データから決定するコーシー問題といわれる逆問題は、応用上からも重要な問題であるが、一般的に不安定性がある。これはデータの微小変動に対して逆問題の解の偏差が極めて大きくなる可能性があることを意味しており、正則化などの安定化手法が必要である。正則化の数値計算のためには離散化が必要であるが、不安定性を有する問題に対しては、数値解の精度をあげるために離散化を細かくしていくと、逆問題自体の不安定性からしばしば精度が悪くなる。そこで、逆問題の数値解法においては、要求されている解の精度の範囲において離散化の精度を適宜コントロールすることが必要不可欠である。該当年度においては正則化法に有限要素法を用いて安定な数値解法を提案し、論文を完成させ公表した。 さらに上記のような逆問題に適合した離散化手法として、再生核ヒルベルト空間を用いて、逆問題の不安定性の度合いに応じて離散化精度を適宜、柔軟にコントロールする試みを行った。 また以下のような研究を実施した: (1)再生核ヒルベルト空間の手法をチホノフの正則化に適用した場合の近似解の安定性・収束の理論を正則化パラメータの最適な選択原理の講究 (2)再生核ヒルベルト空間の1つの数値手法である多重スケール核の方法の逆問題への応用についての研究
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Research Products
(4 results)