2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20654014
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
林 仲夫 Osaka University, 大学院・理学研究科, 教授 (30173016)
|
Keywords | 臨界冪非線形 / クライン-ゴルドン方程式 / 零条件 / Derivative loss / シュレデインガー方程式 / 共鳴項 / フーリエ解析 / 自己相似解 |
Research Abstract |
1.2次の非線形項を持った1次元クライン-ゴルドン方程式系の時間大域解の存在及び時間減衰評価についての研究を行った。2次の非線形項は臨界冪非線形以下の場合と考えられており一般には解決されていない。我々は非線形項が零条件を満足している場合に時間大域解の存在及び時間減衰評価を示した。この零条件は非線形項の時間減衰を早くするものであるが時間減衰のかわりにDerivative lossと呼ばれる微分項を困難として生じさせるものである。このDerivative lossを取り扱うために用いられる1つの方法は初期値に解析性の条件をつけることであることが知られている。しかし我々のDerivative lossは方程式固有の作用素によるもので通常の微分とは異なることから従来の方法で扱うことは困難であった。そこで方程式固有の作用素を含む形で従来の方法を一般化しこの問題に応用した。 2.2次の非線形項を持った1次元非線形シュレデインガー方程式の解の漸近的振る舞いについての研究を行い自己相似解の近傍で解が安定であることを証明した。2次の非線形項を扱うために持ちられる方法の1つはある種の非線形変換を用いて問題を3次の非線形問題に変換することである。このとき問題となるのは3次の非線形項が非局所的な作用素を含み、さらにこの作用素のフーリエ像が原点で消えているところにある。このため自己相似解を用いてフーリエ像が原点で消えているところを処理し、共鳴項を取り出すためにフーリエ解析の手法を用いたことが証明方法の新しいところである。
|
Research Products
(3 results)