2008 Fiscal Year Annual Research Report
液晶高分子の分子配向を活用する高分子/無機機能性複合体の構築
Project/Area Number |
20655022
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 隆史 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授 (70214377)
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Keywords | 液晶高分子 / 機能性無機結晶 / 自己組織化 / 分子配向制御 |
Research Abstract |
本年度は、自己組織的な形成過程による人口の有機/無機複合材料の開発において、テンプレートとなる有機高分子の設計・合成を行った。天然の有機/無機複合体であるバイオミネラルは、均一な配向構造を有する有機/無機複合材料である。生体は自己組織化した生体高分子をテンプレートに使用し、無機結晶の結晶成長を制御する。温和な条件の下、精緻な構造を持った生体高分子集合体の階層構造が構造を保持しながら無機結晶で固定化されるため、複合体は精緻な階層構造を有する。これらバイオミネラルの形成過程・形成機構にヒントを得て、人口有機/無機複合体を作製するため、天然高分子の配向制御を行なった。これまでに報告した液晶性のキチン誘導隊から作製した配向キチンマトリクスと、本年度新たに液晶性キチン誘導体の加水分解条件を変えて作製した配向キトサンマトリクスを作製した。配向キトサンマトリクスはキチンと同様に構造を保持した自立性フィルムとなった。得られたマトリクスの結晶成長に及ぼす影響を調べるために、結晶成長制御分子存在下、炭酸カルシウムの結晶成長実験を行った。配向キチンマトリクス上ではマトリクス内部にロッド状炭酸カルシウム結晶が結晶方位を揃えて結晶成長したのに対し、液晶キトサンを用いると炭酸力カルシウムだけではなく、その他のカルシウム塩にもテンプレート高分子として、有用であることが分かった。 以上、本年度は配向キトサンフィルムの作製を行い、カルシウム塩の結晶成長マトリクスとしての効果を調べた。得られた配向キトサンは炭酸カルシウムだけではなくその他のカルシウム塩の結晶成長にも良好な性能を示した。
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Research Products
(36 results)