2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20656064
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
尾崎 美和子 Waseda University, 総合研究機構, 教授 (30291058)
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Keywords | ニューレグリン / 電極の形状 / 電極間比較 / プローブの開発 / アダプター / 膜電位感受性色素 / 分極誘導 / デバイス |
Research Abstract |
以前の我々の研究から、統合失調症関連遺伝子ニューレグリン(NRG)は50Hz付近から100Hz間の周波数刺激により膜貫通ドメインのすぐN末側で蛋白切断を受け細胞外に切り出されることが解っている。また統合失調症患者の分泌型NRG量の変動が発病と関連があること、発病の際、前頭前野や聴覚野における50~80Hz付近の神経活動消失や乱れが観察されることから光計測系で分泌量と神経活動を同時計測し、その結果を脳刺激にフィードバックする仕組みを構築しようとしている。 そのために、今年度は、昨年度に引き続き、より感度のよい膜電位感受性色素のスクリーニングを行なうと同時に、局所的なカルシウム濃度変動や分子変動を可視化するためのアダプター分子の合成を行なった。分子標識によく用いられるヒスチジンタグ(ヒスタグ)を特異的に認識し、高い結合能を有する分子の合成に成功し、更にヒスタグ認識時にのみ蛍光がONとなるプローブシステムの構築も行なった。このアダプターを介して、蛍光色素やカルシウム濃度センシング機能や膜電位センシング機能をもつ分子を結合できるようにした。このシステムを利用し、先ずはNRG蛋白とHis6量体の融合蛋白をCOSとNIH3T3細胞で発現させ、電気刺激の代わりに薬剤刺激により蛋白分断を誘発し、これら機能分子が実際に細胞内のNRGの挙動やカルシウム濃度を膜電位差と同時トレースできるか実験を行なっている。現在この系をIn vivoに応用しようとしている。その際の検出系としては、ヒト脳深部刺激に用いられている電極用ワイヤー素材にこれまで我々が開発してきた光計測系を搭載し、脳表面と深部に差し込む形状とした。 刺激装置側は、昨年度試作した8電極4本同時埋込みで複数組み合わせ刺激を可能にし、刺激電圧4~6V刺激電流100~300μA、刺激パルス300~500μ秒、50~100Hz付近の精度を最も揚げる状態で、1~10V、パルス幅0.1~1m秒(設定単位0.03m秒)、双極方向にも組合わせることができる。
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