2008 Fiscal Year Annual Research Report
スーパーレゾリューション電子常磁性共鳴イメージング法の開発
Project/Area Number |
20656065
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
平田 拓 Hokkaido University, 大学院・情報科学研究科, 教授 (60250958)
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Keywords | 電子常磁性共鳴 / イメージング / 点像分布関数 / 繰返しデコンボリューション / 解像度 / 並列計算 |
Research Abstract |
三次元の電子常磁性共鳴イメージングデータを対象に、点像分布関数を用いて解像度を改善する計算プログラムの開発を行った。繰返しデコンボリューション法に用いる点像分布関数は、画像再構成時に用いる窓関数を逆フーリエ変換した関数を使用した。TAMラジカルを用いた毛細管模擬試料の実験では、解像度を7倍程度改善することができた。マウスの頭部でナイトロキシルラジカルを画像化したデータから、高解像度の画像に復元するポストプロセッシングに成功した。これは、実験小動物の電子常磁性共鳴イメージングにスーパーレゾリューション法を適応した初めての例である。繰返し計算は10回程度で収束しており、比較的短時間に繰返し計算を終えることができた。しかし、毛細管の画像データでは、長時間の繰返し計算が必要であった。これは、ラジカル分子の空間分布が毛細管の境界で急峻に変化しているためであり、ボケた画像から急峻な変化を有する画像に復元することが容易ではなかったためである。 繰返しデコンボリューションの数値計算を短時間で処理するために、並列計算の実験も行った。8コアのCPUを持つApple Mac Proを購入し、繰返し計算の並列化を行った。並列化コードを生成するコンパイラはAbsoft Pro Fortran v10.2を使用した。計算コードのコンパイル時に自動並列化を行い、実行速度を比較した。その結果、当初の数10%しか高速化せず、計算機のハードウエアの性能を十分に利用するには至っていないことが判明した。この事から、元となる計算コードを並列化に適した記述に変更する必要があることが示唆された。
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Research Products
(4 results)