2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20656092
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小林 秀樹 Chiba University, 大学院・工学研究科, 教授 (20344963)
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Keywords | 都市計画・建築計画 / 建築・都市経済 / 住宅所有 / LLC / LLP |
Research Abstract |
本年度は、合同会社(LLC)及び有限責任事業組合(LLP)による不動産所有の可能性と限界を解明するために、下記のことを実施した。 1)LLC・LLPによる不動産所有の可能性と限界についてのシミュレーションを行う 株式会社・NPO法人の場合と比較しつつ、LLC・LLPが不動産所有した場合の不動産登記のあり方、融資のあり方、参加型設計のあり方などについて、新規建設の場合・中古住宅の転用の場合・団地の払下げの場合に分け、仮想条件を設定してシミュレーションを行った。郊外団地における既存建物の払い下げ(団地内の1棟でもよい)の場合は、初期費用が少ないため、成立する可能性が大きいことから、想定スキームの提案を行った。(1)住宅組合を設立する(2)団地の既存建物の払い下げを受ける(3)建物の維持管理と入退去管理を住宅組合が行う(4)住戸内部のリフォームは相当自由にできる(5)建物修繕費は、金融機関から借り入れることがありうる。 2)日本におけるLLC・LLPによる組合所有住宅のスキームの提案 上記の成果を踏まえて、LLC・LLPによる組合所有住宅のスキームの提案を行った。具体的には(1)民間金融機関が不動産を担保として、コープ住宅組合にノンリコース融資と行う(民間金融5割)(2)住宅地再生のための新しい出資制度(公的出資3割)(3)居住者の出資を2割とする、などである。居住者にとっては、持ち家に比べて出資金の負担で、持ち家と同等な住まいが手に入る、などのメリットがあり、賃貸に比べて住民主体により持ち家と同等の管理ができ、長期的に見れば安価である、などのメリットがある。しかし、一般の新規マンションへの適用は、事実上、困難であり、この段階で現行のLLCなどの制度では不十分なことがあったので、組合所有住宅に適した法制度のあり方の検討を行った。
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Research Products
(9 results)