2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20657010
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
前島 正義 Nagoya University, 大学院・生命農学研究科, 教授 (80181577)
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Keywords | 個体密度 / 細胞膜タンパク質 / 情報伝達 / カルシウムイオン / 生育調節 |
Research Abstract |
同じ植物種でも、育つ環境で植物体は大きくも小さくもなる。植物のサイズは栄養条件や温度、光、水といった要素だけに左右される訳ではない。植物がどのような植物と一緒に植えられているのか、どのような密度で植えられているかによっても異なる。本研究において、シロイヌナズナのPCaP遺伝子の破壊株を得て、その種子を寒天培地の上に様々な個体密度で播いたところ、低密度播種の場合は野生株と変化がないのに、高密度の場合は野生株に比べて遺伝子破壊株は生育が抑制され小さな個体となった。葉の重なり合いや根の接触による可能性があるが、光合成や根での養分吸収等の制約ではなさそうである。このことは、成長調節に結びつく個体密度センシング機構を分子レベルで解明できる可能性を強く示唆しており、PCaPの特性の解明と生理機能の解明を目的とした。 PCaPは、アミノ末端でのミリストイル基付加により安定的に細胞膜に結合し、カルシウムと銅イオン、さらにカルモジュリン-Ca^<2+>複合体を結合する性質をもつこと、さらに情報伝達に関与するホスファチジルイノシトールリン酸との結合性も有することを明らかにした。PCaP遺伝子は植物体のいずれの器官でも発現し、この遺伝子を欠失すると、高密度で植栽した場合、3週齢の幼植物体での地上部生重量が、野生株の50%に低下しており、高密度に過敏となることを明らかにした。
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Research Products
(10 results)