2009 Fiscal Year Annual Research Report
種子の脂質含量制御因子群の単離~オレオシンを利用した新技術の開発と応用~
Project/Area Number |
20657011
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西村 いくこ Kyoto University, 大学院・理学研究科, 教授 (00241232)
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Keywords | 貯蔵脂肪 / オレオシン / オイルボディ / 種子 / 形質転換体作製 / 緑色蛍光タンパク質 / 選抜マーカー / 組み換え植物 |
Research Abstract |
最近,植物が生産する資源に注目が集まっている.その一つに,種子の貯蔵脂肪がある.本研究では,油糧種子において脂質の集積を制御機構の解明とその応用を目指した研究を行った.オレオシン(脂肪を蓄積しているオルガネラ・オイルボディの膜タンパク質)とGFPの融合タンパク質を発現する種子が緑色蛍光を発するという発見に基づいて薬剤を用いない形質転換体の選抜方法の確立を行った.具体的には,オレオシンのプロモータにGFP融合型オレオシンをつないだDNAコンストラクトが遺伝子組み換え体の選抜マーカーとして有効であることを証明した.本方法をべースとして効率的かつ非破壊的な形質転換体作製技術を開発し,FAST (Fluorescence-Accumulating Technology)と命名した.この技術により,目的別の形質転換体作製のためのFASTベクターを10種類開発した.この技術については,昨年度の国内特許出願についで,今年度はPCT国際出願を行なった.FAST技術を公開した論文(Shimada et al.,Plant J.,2010)がオンラインで公表されて以来,約4ヶ月で70件余のリクエストがあった.ベルギー国のフランダース・バイオテクノロジー研究機関(VIB)の依頼を受け,FASTベクターの配布を委託した.モデル植物の形質転換技術は植物科学の分野で大きな貢献をしているが,FAST法の利用により,研究の一層の加速が期待できる.
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