2009 Fiscal Year Annual Research Report
死細胞に対する炎症応答-Cold Inflammationの分子基盤
Project/Area Number |
20657024
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
牟田 達史 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 教授 (60222337)
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Keywords | 遺伝子 / 細胞・組織 / ストレス / 発現制御 / 免疫学 / 炎症 / 死細胞 / Cold Inflammation |
Research Abstract |
近年、自然免疫系は、感染微生物由来成分のみならず、障害を受けた細胞に由来するDanger Signalによって活性化するという考え方が提唱されている。Danger Modelと呼ばれるこの考え方は、免疫系の概念を変える可能性をもつ魅力的なモデルであるものの、そこで機能する分子的実体には不明な点が多く残されている。本研究では、昨年度に引き続き、Danger Modelの分子機構を明らかにすることを目的に、自己由来壊死細胞による自然免疫系担当細胞刺激活性について、遺伝子の発現亢進を指標に検討を進めた。 加熱処理によって調製した壊死細胞を、マウス骨髄由来マクロファージに加え、その遺伝子発現をDNAマイクロアレイを用いて網羅的に解析したところ、壊死細胞の存在下で、昨年度同定したケモカインmacrophage inflammatory protein (MIP)-2に加え、macrophage chemoattractant protein (MCP)-1,-3の強い発現上昇が確認された。この発現応答は、Toll-like receptor/interleukin-1 receptorを介した細胞応答に必須のアダプター分子であるMyD88欠損マウスでも同様に観察されることから、Toll-like receptor/interleukin-1 receptorは関与しないことが判明した。さらに、この応答を誘導する壊死細胞由来成分について検討したところ、壊死細胞由来可溶画分内のヌクレオチド成分がこの応答に関与することが強く示唆された。また、壊死細胞由来の不溶成分にも、可溶画分の存在下で応答を増強する活性があることが明らかになり、現在、その本体の同定を慎重に進めている。本研究の結果、壊死細胞由来のヌクレオチド成分等がマクロファージ・樹状細胞を刺激し、ケモカイン産生を誘導することが明らかになった。
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Research Products
(14 results)