Research Abstract |
1.ゼブラフィッシュの末梢細胞に存在する新規光受容体の活性化により光誘導される遺伝子群の網羅的同定ゼブラフィッシュ培養線維芽細胞株BRF41に光照謝を行い,0,0.5,1,2,3時間後にtotalRNAを採取した.また,対照群として暗条件で培養した細胞からもtotalRNAを採取した.これらのRNA試料を標識した後,DNAマイクロアレイ(GeneChip)を用いたトランスクリプトーム解析により発現が光誘導を示す遺伝子の網羅的に同定することを試みた.ー元配置分散分析により有意な変動を示す遺伝子群を抽出したところ,P<0.05-0.001のさまざまな有意水準において,偶然増加したと予測される遺伝子数よりも多くの光誘導性遺伝子が検出された.光照射開始3時間後の試料を用いて解析したところ,DNAマイクロアレイ上の15,617種の転写産物のうち339種の発現量が増加することがわかった.これらの中には,既知の時計遺伝子や,熱ショックタンパク質に関連のある遺伝子が含まれていた.検出された光誘導性遺伝子の候補と既知の時計遺伝子群ならびに転写因子遺伝子群から93ペアのプライマーを作成し,リアルタイム定量PCRによって光誘導性発現の有無を確認した.その結果,光誘導性が確認されたのは,Per2,Cry1a,Crylb,Cry2b,Cry3などであり,光照射開始3時間後にmRNA量が最大となる遺伝子がほとんどであった. 2.光誘導性遺伝子群の光誘導性プロモータ配列の同定上記の実験で同定された光誘導された遺伝子群のプロモータ領域のゲノム配列の情報をin silicoで検索し,光誘導性発現に関与するプロモータの同定を試みている.今後は,候補遺伝子のプロモータ領域のゲノムDNAをクローニングし,Lucレポーターを持つコンストラクトを作成し,レポーターアッセイにより光誘導性プロモータの機能解析を行う.
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