2009 Fiscal Year Annual Research Report
魚類の末梢器官に存在する新規光受容体の同定と機能解析:下垂体は光を感じるか?
Project/Area Number |
20658044
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
飯郷 雅之 Utsunomiya University, 農学部, 准教授 (10232109)
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Keywords | 末梢器官 / 光受容体 / 下垂体 / 脳 / オプシン / ホルモン / 下垂体 / 甲状腺 |
Research Abstract |
末梢器官の光受容体の実体は何か?末梢器官の光受容体はすべての魚類に普遍的に存在するのであろうか?また,もしもすべての魚類に普遍的に存在するならば末梢器官に存在する光受容体はいかなる機能を果たしているのであろうか?これらの疑問にこたえるべく,本年度は以下の項目について検討した. 1.機能的ゲノミクスによるゼブラフィッシュ末梢器官の新規光受容体の同定とその情報伝達系の解析 ゼブラィッシュ培養線維芽細胞株BRF41に光照射を行い,0,0.5,1,2,3時間後にRNAを採取した.対照群として暗条件で培養した細胞からもRNAを採取し,DNAマイクロアレイ(Gene Chip)を用いたトランスクリプトーム解析により発現が光誘導を示す遺伝子網羅的に同定した.さらに,マイクロアレイにより同定された遺伝子群の光誘導をリアルタイム定量PCRにより確認した. 2.下垂体は光を感じるか? 新規光受容体が成長,生殖など多くの生理機能を制御する内分泌腺である下垂体に発現していれば,魚類の恒常性の確立・維持に関わる多様な生理機能の制御に新規光受容体が関与する可能性が極めて高くなる.そこで,本研究では下垂体に注目し,下垂体自身が新規光受容体を発現してホルモン分泌の制御に関わっている可能性を検証するため,サクラマスを対象にオプシン遺伝子の網羅的cDNAクローニングを行い,それらが下垂体に発現するかどうかRT-PCRにより検討した.その結果,あるオプシン遺伝子が下垂体に発現している可能性が示唆された.
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