2008 Fiscal Year Annual Research Report
難分解有機性廃棄物を原料とする水素生成ミクロフローラのデザイン
Project/Area Number |
20658058
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
東城 清秀 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 准教授 (40155495)
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Keywords | ミクロフローラ / 微生物ストレス / 水素発酵 / 優占化 / メタン発酵消化液 / PCR / 菌叢解析 / Clostridium属細菌 |
Research Abstract |
ミクロフローラ源として、メタン発酵消化汚泥および乳牛糞コンポストを供試し、優占化のためのストレス処理として熱ストレス(105℃、2時間の炉乾燥)と凍結融解ストレス(-15℃・12時間+4℃・6時間の凍結融解を3サイクル)を与えて、ストレス優占化ミクロフローラを作出した。ストレス処理を加えないControlを含めたストレス優占化ミクロフローラをグルコース(4gCOD/L)を炭素源にした栄養培地に植え付け、初期pH6.0、39℃の中温条件で回分式水素発酵実験を行い、ストレス優占化ミクロフローラの水素発酵特性を調べた。また、水素発酵液から抽出した微生物DNAを鋳型に16S rRNA遺伝子を全細菌、全古細菌についてPCR増幅し、Minigel-SSCP法による微生物群集解析を行った。その結果、メタン発酵消化液由来のストレス優占化ミクロフローラの水素生成量はControlと比較して2倍以上に増加し、熱および凍結融解のストレスが水素生成増大に寄与することが分かった。菌叢解析の結果、ストレス優占化ミクロフローラではストレス処理によって水素資化性メタン生成細菌の活性が抑制されたことで水素生成が増加したと考えられた。コンポスト由来ミクロフローラでは熱ストレスミクロフローラの水素生成量がControlを下回った。これは、熱ストレスによるClostridium属細菌の活性抑制による現象である可能性が高いことが判明した。 これらの成果は農業施設学会大会および米国の農業・生物工学会(ASABE)で報告した。ストレス処理の効果をミクロフローラの菌叢解析から検討し、基質競合性の菌叢について明らかになったことから、今後は菌叢の組み合わせ等についての検討が展開できる。
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