2008 Fiscal Year Annual Research Report
軸索型ギラン・バレー症候群先行感染菌由来蛋白の軸索膜ポア形成による傷害とその治療
Project/Area Number |
20659141
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉良 潤一 Kyushu University, 大学院・医学研究院, 教授 (40183305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三野原 元澄 九州大学, 大学病院, 講師 (70398113)
河村 信利 九州大学, 大学院・医学研究院, 学術研究員 (00432930)
土井 光 九州大学, 大学病院, 特任助教 (30423552)
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Keywords | ギラン・バレー症候群 / Campylobacter jejuni / Dps / 軸索傷害 / Naチャンネル / Caspr |
Research Abstract |
本研究においては、軸索型GBS発症予測、並びに迅速診断のためのC-Dps検出システム開発を目旨指している。我々は、ラット坐骨神経にC-Dps蛋白を直接的に注入することで、末梢神経伝導検査での伝導速度には変化は認められないものの、近位側刺激でのcMAPと遠位側刺激でのcMAPの比率が低下すること、そして末梢神経のランビエ絞輪部におけるNaチャンネル、並びにCasprの染色性の低下がこれに関与することを報告している。本年度はC-Dps注入坐骨神経でのNaチャンネルの発現量の変化の検出をウェスタンブロット法を用いて解析したが、Naチャンネルの発現量はごく少量であるため、その検出は不可能であった。今後はさらにNaチャンネルやCasprの定量的な変化の検討を行っていく。さらに本年度は、C-Dpsの検出システムの構築のため、すでに作製している抗C-Dpsモノクローナル抗体(25G/lgG2b)をPeroxidaseあるいはBiotinにより標識を行い検出系の構築を目指している。25Gのモノクローナル抗体以外に、抗C-Dpsモノクローナル抗体として、16A、16D、25A、38Aの4種類を有しており、今後さらにそれぞれのモノクローナル抗体のエピトープの同定を行い、サンドイッチELISAや蛍光ビーズサスペンジョンアレイシステム法の構築へつなげたい。これによりC-Dps蛋白の検出系が構築されれば、GBS患者血清中のC-Dps測定を行い、GBS発症の予測や重症度などの臨床的パラメーターとの関連を検討しその意義を明らかとする。
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