2008 Fiscal Year Annual Research Report
関節リウマチと骨粗鬆症の接点をなす分子複合体の機能解析
Project/Area Number |
20659158
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | St.Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
八木下 尚子 St.Marianna University School of Medicine, 難病治療研究センター, 講師 (40367389)
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Keywords | シノビオリン / E3ユビキチンリガーゼ / 基質 / Synovial antigen X-2(Sax2) / 遺伝子欠損マウス / 骨粗鬆症 / 破骨細胞 |
Research Abstract |
これまで我々は関節リウマチの原因解明のため研究を進めた結果、関節リウマチの発症因子となるE3ユビキチンリガーゼシノビオリンをクローニングした。シノビオリンの機能を考える上で基質の同定は非常に重要であるため、次にシノビオリン基質の探索を行った結果、Yeast two hybrid法によりSynovial antigen X-2(Sax2)とよぶ分子を同定した。そこで、Sax2の生体内における機能を明らかにする目的でSax2遺伝子欠損マウス(Sax2^<-/->)を作製し解析した結果、Sax2^<-/->は老化現象が加速した表現型を示すことを明らかとした。Sax2^<-/->が加齢に伴う疾患のうち、今後わが国にとって重大な問題になると考えられる骨粗鬆症を発症したことは特筆すべきことである。そこで、Sax2^<-/->の骨組織を予備的に解析したところ、Sax2^<-/->は破骨細胞の機能が亢進した高代謝回転型の骨粗鬆症を呈していることを確認した。そこで、本研究では老化に伴う疾患の中でも特に重大と考えられる骨粗鬆症に着目し、Sax2の破骨細胞形成抑制能の分子メカニズムを解明することを目的とした。 はじめに野生型、Sax2^<-/->より骨髄細胞を採取し、M-CSF、RANKLを添加培養し破骨細胞へ分化誘導し、TRAP染色による形態観察を行い破骨細胞分化能の差を検討した。その結果、野生型より採取した骨髄細胞を用いた場合と比較し、Sax2^<-/->より採取した骨髄細胞を用いた場合では破骨細胞形成能が上昇していることが明らかとなった。 また、マウスマクロファージ由来細胞株RAW264.7細胞にRANKLを添加し破骨細胞分化誘導条件下で、Sax2タンパク質を添加し破骨細胞分化能の差を検討した。その結果、コントロールタンパク質を添加した場合と比較しSax2タンパク質を添加した場合、破骨細胞形成能が減少していることが明らかとなった。
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