2008 Fiscal Year Annual Research Report
ニューロイメージング法を用いた咬合と全身機能の脳神経生理学的解析
Project/Area Number |
20659322
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小野 卓史 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (30221857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
誉田 栄一 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (30192321)
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Keywords | 咀嚼 / 舌 / 習慣性咀嚼側 / fMRI / 脳活動 / 2点弁別試験 |
Research Abstract |
咀嚼は両側で均等に行われるとは限らず、無意識下での咀嚼の側性は、習慣性咀嚼側(preferred chewing side : PCS)とよばれている。これまで、舌の運動時におけるPCSに依存した脳活動は報告されているが、舌の感覚との関連を調べた先行研究はなかった。そこで本研究では、舌における触覚および脳機能との相互作用を、2点弁別試験および機能的磁気共鳴画像法を用いてPCSと関連づけて検討した。健常成人12名を被験者とした。顎運動記録装置を用いて30秒間のガム自由咀嚼における左右側の咀嚼回数を比較し、回数が多い側をPCSと判定した。2点弁別試験はキャリパーを用いて両側舌縁の前歯・犬歯・臼歯相当部で測定した。次に、1.5テスラMRI装置により脳機能画像を撮像した。実験デザインは、1ブロック(19秒)ごとに、安静と触覚刺激を交互に繰り返した。1セッションの中では一側舌縁臼歯相当部のみを刺激し、両側とも2セッションずつ撮像した。データ解析にはSPM2を用いた。それぞれのデータから咀嚼・舌感覚および脳賦活の側性を算出し、末梢および中枢での側性の関連を定量的に評価した。全被験者においてPCSは右側であった。2点弁別閾値は、前歯から犬歯、さらに臼歯相当部へと後方へ進むにしたがって増大した。また、PCSとnon-PCSの比較では、前歯相当部では有意差は認められなかったが、犬歯および臼歯相当部においては、PCSの方がnon-PCSよりも有意に小さかった。脳賦活に関しては、刺激と対側の一次体性感覚野は、PCS刺激時の方がnon-PCS刺激時に比べ有意に広い領域が賦活した。さらに側性の相互関連に関しては、末梢における咀嚼・舌感覚と中枢における脳賦活間に、それぞれ有意な正の相関を認めた。以上の結果から、舌の触覚およびそれに伴う脳活動とPCSには密接な関連があることが示された。
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Research Products
(2 results)