2008 Fiscal Year Annual Research Report
化学療法による認知機能障害がもたらすセルフケア不足を支援する看護介入の検討
Project/Area Number |
20659345
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
荒尾 晴惠 University of Hyogo, 看護学部, 准教授 (50326302)
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Keywords | 化学療法 / 認知機能障害 / セルフケア |
Research Abstract |
【研究の目的】本研究は、化学療法を受ける乳がん患者の認知機能障害について明らかにし、認知機能障害があっても患者自身が必要なセルフケアを実行できるように支援する看護ケアを見出すことを目的としている。そのために、1.化学療法を受ける乳がん患者の認知機能障害の様相(認知機能障害の実態、増強・軽減因子など)を明らかにする。2.認知機能障害があることによって患者のセルフケアがどのように阻害されているかを明らかにする。3.1の調査から化学療法を受ける乳がん患者の認知機能障害をアセスメント、評価するための指標を明らかにする。4.化学療法を受ける乳がん患者が、認知機能障害があってもセルフケアが行える有効な看護介入を考案するという目的を置いた。平成20年度は化学療法を受ける乳がん患者の認知機能障害の様相(認知機能障害の実態、増強・軽減因子など)を明らかにすることについて取り組んだ。 【研究方法】文献の検討ならびにがん患者の認知機能障害について研究を行っている米国の研究者から情報収集を行った。 【研究結果】文献検討と米国の研究者からの情報収集によって、化学療法で誘発される認知機能障害は、出現することは明らかであり、記憶喪失と集中力欠如が最も頻繁な症状であった。しかし、患者に出現するこれらの症状を測定する場合には、一貫性の欠如がみられていた。そのため、適切な仮説に基づいた研究を行う必要性が示された。今後の研究は、化学療法が始まる前に、ベースラインを測定して、縦断的な計画とすること、変数となる年齢や教育、知能指数(IQ)、倦怠感、抑うつや、ホルモン療法や他の治療などを考慮することなどが明らかになった。 計画時には、初年度患者を対象とした調査を行うこととしていたが、化学療法で誘発される認知機能障害の現象そのものが複雑であり、適切な研究計画とするため、予備調査に時間を費やした結果となった。 【次年度への課題】平成20年度の研究から患者調査を行う上でのポイントが明らかになった。これらのポイントを活用して、実際的な調査を平成21年度は実施していく。
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Research Products
(1 results)