2008 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリアに対するミオグロビンの相互作用と筋細胞内の効果的な酸素供給システム
Project/Area Number |
20680032
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
増田 和実 Kanazawa University, 人間科学系, 准教授 (50323283)
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Keywords | 骨格筋 / ミオグロビン / ヘモグロビン / ミトコンドリア / 臓器灌流 / NIRS |
Research Abstract |
骨格筋の酸素供給機構とその規定因子については不明な点が多い。我々は、骨格筋内の酸素貯蔵体として知られているミオグロビン(Mb)に注目して、Mbに結合した酸素の利用動態を検出するシステムを構築した。その結果、Mbに結合した酸素は、収縮開始とともに解離することが明らかとなり、Mbが単なる酸素貯蔵体としてではなく、骨格筋組織の酸素供給機構の一部として機能している可能性が示唆された。また、この現象から、Mbの飽和度を定量化することによって細胞内酸素環境を知ることができると考えた。補足的に不活動に伴う筋萎縮(ミトコンドリアの容量低下)と細胞内酸素分圧の変化について検討した。また、前述のMbを介した酸素供給を説明するメカニズムの検討として、ミトコンドリアとの関連性について検討した。まず、ラットからの摘出筋の各画分におけるタンパク解析を行った。その結果、ミトコンドリア画分にもMbが存在する可能性があった。この事実の再検証のために組織学的にも検討を進めている。さらに、上記の課題をより詳細に進めるための骨格筋培養細胞のシステム構築に着手した。引き続き、筋組織・培養細胞系にてMBとミトコンドリアの相互関係について検討を進める予定である。なお、第16回日本運動生理学会大会にて、本研究の成果の一部に対して若手研究者最優秀賞を戴いた。その他の成果についても、2009年に行われる国際学会や国内学会に発表し、専門学術誌への投稿を予定している。
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