2009 Fiscal Year Annual Research Report
サル類を用いた内分泌攪乱化学物質の神経発達影響評価系の確立
Project/Area Number |
20681005
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
根岸 隆之 Aoyama Gakuin University, 理工学部, 助教 (80453489)
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Keywords | カニクイザル / ラット / 甲状腺ホルモン / 水酸化PCB / 神経発達 |
Research Abstract |
3年計画の2年目である本年度は昨年度得られた結果を踏まえて以下のように研究を行った。 1、正常カニクイザルの神経発達イベント カニクイザル脳の正常発達を組織学的、生化学的に評価するために胎齢50日、胎齢80日、胎齢110日、胎齢140日、生後30日、生後90日、成熟サルとして3歳の脳組織を各2例サンプルとした。その結果、カニクイザルの脳はマクロ形態(体積、シワ等)はほぼ胎齢140日で完成しているが、神経伝達に重要なタンパク質(シナプス構成タンパク、神経伝達物質受容体、および神経伝達物質合成酵素)は出生後爆発的に発現量を増すことが明らかとなった。また、げっ歯類では大脳神経細胞の発生は比較的早期(出生前)に終了することが知られているが、カニクイザルでは生後も持続的に増殖マーカー陽性細胞が観察できた。 2、カニクイザルにおける発達期甲状腺ホルモン欠乏の神経発達イベントへの影響 前述の事実を踏まえ、甲状腺機能低下カニクイザルの作成を抗甲状腺剤であるメチマゾールを生後3日目から60日目まで投与した。本実験は現在、新生仔の神経機能等の評価を含め精査中である。 3、カニクイザル神経細胞を用いたin viroモデル系の作出 前年度作成に成功した神経幹細胞様の細胞塊は非常に増殖能が低く、培養液に加える栄養因子等の改善による増殖能の改善を試みている。また、in viroで増殖能を有するアストロサイトに着目し、大脳皮質、海馬、小脳より大量のアストロサイトを培養することに成功した。現在これらの細胞に化学物質を曝露し、その影響についてげっ歯類との相違を評価している。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Enhanced Inhibitory Effects of TBT Chloride on the Development of F(1) Rats.2010
Author(s)
Asakawa H, Tsunoda M, Kaido T, Hosokawa M, Sugaya C, Inoue Y, Kudo Y, Satoh T, Katagiri H, Akita H, Saji M, Wakasa M, Negishi T, Tashiro T, Aizawa Y.
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Journal Title
Arch Environ Contam Toxicol (In press)
Peer Reviewed
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