2008 Fiscal Year Annual Research Report
生体分子/無機材料異種界面の動的制御を実現する第二世代のペプチドアブタマーの創製
Project/Area Number |
20681013
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
佐野 健一 The Institute of Physical and Chemical Research, 分子情報生命科学特別研究ユニット, 協力研究員 (80321769)
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Keywords | ナノバイオ / 分子認識 / ナノ・マイクロデバイス / バイオテクノロジー / 蛋白質 / アプタマ / ソフト界面 / 動的分子素子 |
Research Abstract |
本研究では、ペプチド-無機材料動的制御界面の創出を目的として、(I)進化分子工学の手法を用いたコンビナトリアルエンジニアリングによる動的制御可能な第二世代のペプチドアプタマーの探索をおこない、(II)第一世代のベプチドアプタマー・無機材料界面構造情報をもとにした人工ペプチド・人工タンパク質のデザイン合成を進め、生体高分子・無機材料異種界面の動的制御を実証することにある。 生物界のタンパク質による動的界面制御は、タンパク質構造の動的変換を通しておこなわれる。そこで、生体内で亜鉛イオンに応答して構造変換を惹起することが知られているZn-fingerモチーフに注目し、この構造変換骨格を利用したファージライブラリーの作製をおこなった。Znf268と呼ばれるZn-finger配列の分子認識配列をランダム化したライブラリー及び、Zn-fingerモチーフのコンセンサス配列以外をランダム化したライブラリーの二種類のファージライブラリーの作製をおこなった。ライブラリーの作製と並行して、Znイオンの有無、点変異の導入に依るZn-fingerモチーフの二次構造情報の変化を、円二色性偏光測定によって検出することに成功した。また動的界面分子の検出に向けたタイムラプスイメージングシステムの構築をおこなった。さらに、第一世代のチタン結合ペプチドアプタマーであるTBP-1とチタンの界面構造情報の取得を、TBP-1変異体のSPMによる力学計測から進め、チタン表面の水酸基あるいは結合水分子とTBP-1の側鎖間の水素結合が、接着力に重要な役割を果たしていることを明らかにした。この知見を元に、ダイナミックな構造変化をするタンパク質ドメインヘのTBP-1配列の導入を進めている。
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