2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20684009
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
都丸 隆行 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 超伝導低温工学センター, 助教 (80391712)
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Keywords | 素粒子実験 / 宇宙物理 / 超精密計測 |
Research Abstract |
本研究は、レーザーアクシオン探査実験の技術検証および追試を目的としたものである。本研究では、イタリアのPVLAS実験と同じく、強力な磁場内でのレーザー偏光の回転を計測しようとするものである。 本年度は、実験で使用する超伝導ダイポール電磁石の整備とファブリペローキャビティーの高性能化を行う計画であった。しかし、再利用予定であった古い超伝導ダイポール電磁石に故障が生じ、新たな代替磁石の検討をする必要が生じたため、予算の繰越を行った。近年の技術的発展により、1Tを超える高磁場を発生することが可能な小型磁気回路が実現可能になったため、本研究ではハンドリングの良い磁気回路を採用することとし、有限要素法を用いたシミュレーションにより、中心磁場>1.6T、スキュー角0.5°以下、磁場均一性6%以下の高い性能を持つダイポール磁気回路の製作に目処が付けられた。これにより、H23年度に繰越予算を用いて、上記磁石の製作を行った。完成した磁石の磁場分布を詳細に調べ、ビームパス上の平均磁場1.55T、最大スキュー角0.4°、磁場均一性2.5%の高い性能を達成出来た。 また、大気中でのファブリペローキャビティーのフィネスを測定し、200であることを確認した。このことから、製作した磁気回路との組み合わせにより、Low finnesseミラーでもAxion探査でのcalibrationとして利用されるcotton-mouton効果シグナルを検出できる見込みがたった。
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