2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20684009
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
都丸 隆行 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 超伝導低温工学センター, 助教 (80391712)
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Keywords | 素粒子実験 / 宇宙物理 / 超精密計測 |
Research Abstract |
本研究は、レーザーアクシオン探査実験の技術構築および追試を目的としたものであり、イタリアのPVLAS実験と同じく、強力な磁場内でのレーザー偏光の回転を計測するものである。本年度は3年計画の最終年であり、新たに開発したダイポール磁気回路を光学系にインストールし、Axion起因の偏光角回転の計測を行った。 まず、ダイポール磁場による偏光回転の効果は空気のCotton-Mouton効果で検証した。光路上に設置した1.55Tのダイポール磁石を5Hzで回転させることにより磁場変調をかけ、さらにPEMにより100kHzの偏光変調をかけ、これらの周波数解析から磁場による偏光回転の計測を行った。この結果、予想される大きさ8×10^<-5>[rad]の偏光回転を計測した。次に、Axion起因の偏光角回転を検出するため、ハイフィネスキャビティーの導入を行った。空気によるCotton-Mouton効果の影響を除き、高反射率ミラーの保護を行うために、FPキャビティーは高真空中に設置されねばならず、ミラーを収納し、かつダイポール磁石の回転を可能とするような小型真空槽を製作した。真空度10^<-4>mbr下でフィネスを計測し、10000であった。この状態での計測では有意な偏光回転は観測されず、N2ガスを10^<-1>~10^<-3>mbrほど注入したCotton-Mouton効果によるキャリブレーションからリミット算出を行っている。現在解析の途上であり、正確には今少し時間を要する。しかし、大まかな解析からはPVLASと比肩しうる偏光回転の測定精度が達成出来ており、技術的にはPVLASを追試することできた。
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Research Products
(12 results)