2011 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマプロセスの制御によるアモルファス炭素膜の揺らぎのない成膜プロセスの創成
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20684027
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
篠原 正典 長崎大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80346931)
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Keywords | アモルファス炭素膜 / プラズマプロセス / 多重内部反射 / 赤外吸収分光法 / 反応過程 / ラジカル / 水素の引き抜き / 付加反応 |
Research Abstract |
ダイヤモンドライクカーボン(DLC)に代表されるアモルファス炭素膜は、化学的・機械的に安定で、摺動性に優れ,低温での成膜が可能であるため、これまで機械部品のコーティングなど産業面で盛んに応用されてきた。これまで以上,組成・構造の制御が必要な医療用具への応用や電子デバイスへの応用には,原子レベルで制御された成膜プロセスが必要である。そのためには,揺るぎないプラズマプロセスを制御したアモルファス炭素膜の成膜プロセスの確立が不可欠である。 そこで、本研究では、「プラズマプロセスによるアモルファス炭素膜の成長メカニズムを明らかにした上で、時々刻々変化する反応性プラズマプロセスを制御する方法を世界に先駆けて提示する」ことが目的である。 本研究では,プラズマプロセス中の水素の役割について調べた。アモルファス炭素膜を堆積した基板に水素プラズマを曝露する際の基板温度を上昇させていくと,水素プラズマによるエッチング効果とともに水素の引き抜き効果も高まることを,赤外分光測定とエッチングレートの関係より明らかにできた。 さらに,アモルファス炭素膜に酸素プラズマを曝露した場合に、これまでOH基が生成されるため親水性が向上することが知られていたが,基板温度を上昇させた場合には,膜中の水素の引き抜きも起こるため,OH基が生成されなくとも親水性が向上することを,赤外分光,エッチング効果,接触角の測定から明らかにした。 また,アモルファス炭素膜の成膜に用いる原料をメタンにかえ,原料分子の分子量を大きくした場合について検討を行ったところ,原料分子の分子量が大きくなると,成膜速度は上昇する。分子中に炭素同士の二重結合があるとさらに向上することがわかった。分子中の2重結合は膜化する時に,単結合へと変化することが赤外分光法より分った。このことより,2重結合同士が付加反応により成長を促進すると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
23年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
23年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(14 results)