2010 Fiscal Year Annual Research Report
移動・変形を伴う固液気3相境界線近傍流体のメゾスコピック熱流体力学の展開
Project/Area Number |
20686017
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
上野 一郎 東京理科大学, 理工学部, 准教授 (40318209)
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Keywords | 濡れ性 / コンタクトライン / 先行薄膜 |
Research Abstract |
2010年度においては,研究計画にしたがい実験および数値シミュレーション双方からのアプローチによって研究を進めてきた.実験においては,一昨年度導入したブリュースター角顕微鏡に加え,共焦点型レーザ変位計を導入し,先行薄膜領域の長さおよび厚さの計測を行う実験系を構築した.パラメータとしては,先行薄膜形成における粘性の影響について解析を進めた.それにより高粘性流体の場合は,液滴滴下直後において流体力学的先行薄膜(adiabatic precursor film)の状態で発達するが,低粘性流体においては,滴下後10秒程度の時間経過により拡散的薄膜(diffusive precursor film)へと移行することを明らかにした.また,繊維状多孔質体における濡れ挙動について,浸潤過程の可視化および数値化を行うための実験的手法を開発し,さらに粒子法を用いた数値計算を実施し,現象の再現を試み,良好な結果を得た.繊維周りの濡れに関する素過程を抽出するために,1本および2本の繊維周りの濡れについても実験および数値計算を行い,その濡れ挙動について知見を蓄積した.分子スケールの濡れに関する数値シミュレーションでは,固体基板上での濡れ挙動に関してレナード・ジョーンズ流体を用いてそのdewetting過程を明らかにした.ここでは特に,マクロスケールでのdewetting過程における最危険波長および過程後の微小液滴形成に関する理論モデルとの比較を行った.以上の研究成果を国内外の学会で発表した.
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Research Products
(15 results)