2008 Fiscal Year Annual Research Report
深掘りMEMSトレンチ受光素子集積化初期視覚処理プロセッサと動体検出応用
Project/Area Number |
20686024
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三田 吉郎 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 准教授 (40323472)
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Keywords | MEMS / マイクロ・ナノデバイス / 光物性 / 三次元形状検出 / スマートセンサ情報システム |
Research Abstract |
本研究の柱は3種、すなわち(1)トレンチデバイスの物理解明、(2)作製プロセスの高度化・安定化、(3)動物体検出システムへの応用、である。それぞれ、2種類のサブプロジェクトに分け、研究を行っている。特に平成20年度は、トレンチダイオード作製プロセスの高度化・安定化に重点を置いて研究を行った。先行するトレンチダイオードに関する基礎実験において、トレンチ形状のフォトダイオードは平面ダイオードと比較して、25%から70%(大きさ依存)の光電流向上が得られたが、実験の過程で深掘りトレンチデバイスでは構造そのもののサイズの効果によって、機械的構造を作るだけで自動的に偏光現象を捉えるセンサができることが明らかになった。偏光現象を利用すると動体の検出がより楽に行えるなど高機能センサが実現できることが知られているので、偏光に敏感なピクセル型フォトダイオードデバイスの作製プロセスの高度化に取り組んだ。その結果、偏光がトレンチ構造に入射する角度のcosθに依存する光電流特性が得られた。垂直、水平に対応する光電流の比を感度と呼ぶことができ、VLSI上の配線を利用した集積化デバイスの先行研究例に1:4という値を見ることが出来るが、本研究では初期のデバイス(発表文献1番JOAPAOの表紙を飾った)で1:1.5程度であった消光比を、拡散と深掘りRIEのプロセス順序や、マスクとなる酸化膜の除去のステップやデザインを工夫することで、既発表のデータで1:4以上、最新のデータでは1:20という値を得ることが出来た。動物体検出に関しては、仏国国立情報学研究所(INRIA)とのコラボレーションによって、ステレオビジョンの応用で外部環境の推定を行うプログラムの開発に取り組み、左右の画像の対応点を高速に抽出できるアルゴリズムを開発した。
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