2011 Fiscal Year Annual Research Report
都市基盤設備の最大負荷設計のための水・熱・エネルギーデマンド予測手法の構築
Project/Area Number |
20686040
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
萩島 理 九州大学, 総合理工学研究院, 准教授 (60294980)
|
Keywords | 空調負荷 / 生活スケジュール / 熱負荷計算 / 空調エネルギー消費 |
Research Abstract |
これまで、建築環境設備工学分野における最大熱負荷に関する研究では主に算法と気象データに関心が払われ、生活スケジュールの多様性については殆ど考慮されていない.そこで本研究では、人々の生活スケジュールのバラツキを考慮して多数サンプルリ生活スケジュールを確率的に生成し、空調発停確率モデル、行為別原単位、建物伝熱・熱負荷計算と連成することで住居系ユーティリティ負荷を高精度に予測する手法TUD-PSを構築した.当研究課題の最終年となる本年は、改めてプログラムコードの高速化とbug fixを行うとともに、次の2点について検討を行った. 1.空調熱負荷の確率特性 15年分の気象データを用いたTUD-PSによる数値計算は、気象条件の確率性のみならず居住者の生活スケジュールに基因すう内部発熱や空調運転のスケジュール等々評価出来る全ての要因の確率性を忠実に再現した悉皆的モンテカルロシミュレーションと位置づけることができる.そこで、住戸条件、居住世帯条件の異なる計672ケースを対象とした数値実験で得られた負荷生データを用いて、空調負荷の確率性状について検討を行った.その結果、各ケースに対し平均値で基準化した全熱負荷の確率密度分布が住戸条件や家族構成の違いによらず概ね普遍的な傾向を示し,LDKにおける暖冷房の基準化全熱負荷の確率密度がアーラン分布で近似できることを明らかにした. 2.複数住戸系への拡張 複数住戸が集積された住棟、街区における熱,電気,ガスのデマンド予測はコジェネや市域冷暖房などのインフラ設計において重要である.そこで、コードを複数住戸計算に拡張し、100戸からなる集合住宅1棟を対象としたシミュレーションを行い、電力・給湯の住棟セントラル化による最大デマンド削減効果について検討した. 以上に加え、これまでの研究成果および生活スケジュールデータを研究室のwebページにて公開した.
|
Research Products
(3 results)