2010 Fiscal Year Annual Research Report
有機溶媒中の新規プラズマプロセッシングによる金属-カーボンナノコンポジットの創製
Project/Area Number |
20686051
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
柴田 悦郎 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (70312650)
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Keywords | 炭化タングステン / グラファイトナノシート / 有機溶媒 / プラズマ / 超音波 |
Research Abstract |
研究代表者らはFe-Pt合金のアノード合金を用いた実験で、カーボンナノカプセルを分離した後の試料中にグラフェンを混在するグラファイトナノシートを効率良く作製できることを明らかにした。グラファイトナノシートの膜厚は数nmで10層以上のグラファイト層で構成されている。前年度は、TEMならびにSEMで形態評価、XRD)ラマン分光、AFMを用いて詳細な構造解析を行った。本年度は昨年度に引き続き、アノード電極の合金組成を鉄、白金ならびにFe-Pt合金と変化させて、グラファイトナノシートの生成に重要な触媒金属を明らかにした。また、多量のグラファイトナノシートの生成ならびにグラフェン合成の可能性を電極合金組成や有機溶媒組成、アーク放電電流や実験時間を制御しながら、最適条件を調査した。さらに、アノード電極にタングステンを用いることによりWCナノ粒子の作製も行った。また、作製したWCナノ粒子のキャパシタ用材料への応用を月的に電気化学的特性の評価も行った。実験では、アノード電極として純タングステン線、カソード電極として先端に純タングステン板を溶接した鉄製チップを装着した超音波ホーンを用いた。実験では、安定化電源を用いて、直流一定電圧55V、上限電流値設定3Aで放電を行った。作製した試料は、濃塩酸溶液、10%H_2O_2溶液、KOH(8M)溶液で精製した。合成試料のXRD分析結果より、cubic WC_<1-x>、hexagonal α-W2Cならびにorthorhombic β-W_2Cが確認された。その試料をAr雰囲気下(900℃)でアニール処理するとhexagonal WCに転換した。精製後の試料のTEM像を見ると、シート状カーボン内部に、多数のグラファイト層に覆われたタングステンカーバイドナノ粒子が確認された。
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