2010 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロチャネルを用いた高温高圧水溶液の全自動ph測定システムの開発
Project/Area Number |
20686053
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
陶 究 独立行政法人産業技術総合研究所, ナノシステム研究部門, 研究員 (60333845)
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Keywords | 高温高圧水 / pH / マイクロチャネル / 水素イオン活量 / 解離定数 / 自動化 |
Research Abstract |
高温高圧水とマイクロ空間の利用は、環境調和型の高結晶性金属酸化物のナノ粒子の製造を可能とする。産業化において、所望の粒径や結晶構造等を有するナノ粒子を設計するためには、金属酸化物の溶解度を支配するpHが重要な物性である。しかし、高温高圧という苛酷環境における水溶液のpH測定装置の開発は、温度圧力の厳密制御、耐食、耐温、耐圧、絶縁等の面で課題を多く残している。本研究では、マイクロチャネルを有する新規な構造のpH測定用電気化学セルを開発するとともに、pHを全自動で測定するための汎用的かつ先駆的な測定システムの開発を最大の目的としている。 本年度は、マイクロチャネルを用いた改良型pH測定セルについて、昨年度までにまとめた指針に基づき新規な構造のセルを開発した。本セルでは、高温高圧水溶液との接液部がチタン製であるため高耐食性のチタニア皮膜の形成により従来のアルミナ製セルでは腐食により測定が困難だったアルカリ水溶液環境での測定が可能となった。さらに、セル自体の大きさが70mm×60mm×15mm、セル内の流路径が0.5mmであり、内容積が極めて小さい。そのため、セル内の温度分布を最小限にできるとともに、溶液種、温度、圧力を短時間で変化させることが可能となった。なお、セルの小型化のために電極のシールおよび絶縁方法についても新たな構造を開発し導入した。また、温度、圧力、電位差、流量を測定しつつ個々のデータの安定性を個別に判断する機能を有し、温度、圧力、流量、溶液種を変化させて様々な条件での測定を連続的に実施可能な全自動pH測定のための制御システムを開発した。実際に、開発した制御システムを用いて塩酸水溶液や酢酸水溶液の測定を常温~400℃、常圧~45MPaの条件で実施し、その有用性を確認した。
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Research Products
(2 results)