2008 Fiscal Year Annual Research Report
エンドサイトーシスにおける小胞形成機構の構造的基盤
Project/Area Number |
20687006
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
嶋田 睦 The Institute of Physical and Chemical Research, 生命系放射光利用システム開発ユニット, 研究員 (70391977)
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Keywords | X線結晶解析 / エンドサイトーシス / 脂質膜 |
Research Abstract |
真核細胞が外部から細胞内に物質を取り込む代表的な仕組みの一つであるエンドサイトーシスは,細胞表層の受容体の内在化や体細胞における栄養摂取などの基本生命現象において重要な役割を果たしている.エンドサイトーシス過程の進行には,複数の可溶性タンパク質が関与しているが,その機能発現機構の詳細には不明な点も多い.本研究は,エンドサイトーシス関連タンパク質の立体構造解析および構造に基づいた機能解析を行うことで,エンドサイトーシスにおけるダイナミックな小胞形成機構の一端を解明することを目的とする. 本年度は,エンドサイトーシスの小胞形成過程において機能するイノシトールリン脂質脱リン酸化酵素であるSynaptojaninの発現条件の検討,エンドサイトーシス関連タンパク質であるシンダピンの結晶化と構造解析,エンドサイトーシスの小胞形成過程におけるアクチン重合に関与するタンパク質であるCIP4とCdc42の複合体の機能解析などを行った.synaptojaninに関しては,2つのアイソフォームであるsynaptojanin 1 とsynaptojain 2のどちらについても,SACドメインの一部を含む領域がGST融合タンパク質として可溶性画分に発現することを支持する結果を得て,現在この領域の大量発現,精製を目指している.またシンダピンに関しては,そのアイソフォームの一つについてN末端側約340残基の結晶化に成功し,良好な回折データを得て現在構造モデルの構築を進めている.さらにCIP4のCdc42結合ドメインとCdc42の複合体については,立体構造に基づいた機能解析を行い,構造解析と生化学的解析の結果をまとめ,現在論文執筆を進めている.
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