2011 Fiscal Year Annual Research Report
エンドサイトーシスにおける小胞形成機構の構造的基盤
Project/Area Number |
20687006
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
嶋田 睦 九州大学, 生体防御医学研究所, 准教授 (70391977)
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Keywords | X線結晶構造解析 / エンドサイトーシス / 脂質膜 / GTP結合タンパク質 / アクチン細胞骨格 / 細胞内シグナル伝達 |
Research Abstract |
真核細胞が細胞外から細胞内に物質を取り込む代表的な仕組みの一つであるエンドサイトーシスは,細胞表層受容体の内在化や体細胞における栄養摂取などの基本生命現象において重要な役割を果たしている.エンドサイトーシス過程の進行には,複数の可溶性タンパク質が関与するが,その機能発現機構の詳細には不明な点も多い.本研究は,エンドサイトーシス関連タンパク質の構造機能解析により,エンドサイトーシスにおけるダイナミックな小胞形成機構の一端を解明することを目的とする.本年度は,クラスリン依存性エドサイトーシスにおける脂質膜陥入とアクチン細胞骨格再編成に関与するタンパク質であるCIP4が,RhoファミリーGTP結合タンパク質であるCdc42依存的にクラスリン集積部位にリクルートされる機構について,このリクルートがCIP4のCdc42-specific HR1 (cHR1)ドメインとCdc42の直接的相互作用によるものであることを,CIP4の変異体を用いた細胞生物学的解析により解明した.また,この変異体と同様の変異を持つCIP4のcHR1ドメインは,Cdc42への結合能が劇的に低下していることを等温滴定カロリメトリー等により検証した.さらに,Cdc42のノックダウン実験により,Cdc42とCIP4のシグナル伝達経路が,特に比較的直径の大きいクラスリン被覆ピットの内在化を担うことを示した.一方,エンドサイトーシスにおいて働くイノシトールリン脂質脱リン酸化酵素であるsynaptojanin 2については,無細胞タンパク質合成系により,SACドメインと5-phosphataseドメインの可溶性画分への大量発現精製に成功し,結晶化を試みたが結晶は得られなかった.また,SACドメインと5-phosphataseドメインを含む全長950残基以上の長いフラグメントに関しても,可溶性画分への発現に成功した.
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Research Products
(3 results)