2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20687014
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 ゆたか Kyoto University, 大学院・理学研究科, 准教授 (40314174)
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Keywords | ホヤ / 遺伝子調節ネットワーク |
Research Abstract |
ホヤは脊索動物でありながら、コンパクトなゲノムを持っている。また、胚の構造も単純であるため、ゲノムワイドかつ細胞単位のネットワークの研究が比較的行いやすいという特長がある。また、ホヤはオタマジャクシ型の幼生をつくるなど、脊索動物に基本的な体制を持っており、ホヤの発生の理解は脊索動物の起源の理解に直接つながる期待がある。本研究ではホヤの胚発生における遺伝子調節ネットワークの全貌を明らかにするため、以下の実験を行った。 1、ホヤ神経系後部における遺伝子調節ネットワークを明らかにするため、ホヤ神経系後部で発現する調節遺伝子について網羅的にその発現パターンを細胞の単位で記載した。そのデータをもとに網羅的ノックダウンを行い、調節遺伝子間のお互いの調節の関係を明らかにし、ネットワークの再構成を行った。その結果、ホヤの脳の後部領域においてはFGF8/17/18によるシグナルが脳の領域化に必要であることを突き止めた。 2、初期胚で発現する転写因子10個についてクロマチン免疫沈降法によって、in vivoでの結合領域をゲノムワイドに明らかにした。シス調節領域のレベルでの完全なネットワークの理解を行うため、データの解析中である。 3、母性因子による胚性の調節遺伝子の発現制御について、網羅的に調べるため、およそ100個の母性に発現する調節遺伝子について過剰発現などをおこなった。いくつかの遺伝子について、もっとも初期に発現する胚性の調節遺伝子の調節を行っている可能性が示唆されたので、精査中である。
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