2008 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光イメージングプローブ開発による画像診断薬創製研究
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20689003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小島 宏建 The University of Tokyo, 生物機能制御化合物ライブラリー機構, 准教授 (70345255)
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Keywords | イメージング / 画像化 / 蛍光 / 近赤外 |
Research Abstract |
ポストゲノム時代における生命の統合的理解および新しい診断法の開発を目的に分子イメージングの基盤技術を確立する「分子イメージング研究」が近年盛んに行われてきている。私はこれまで行ってきた蛍光プローブ開発研究を発展させ、生体組織透過性の高い近赤外光を利用し、実験動物を生かしたまま生体内分子を画像化する方法、あるいはそれを発展させた診断法を確立すべく、現在、社会的にも動脈硬化など各種病態との関連について関心の高い酸化ストレス、活性酸素種を主なターゲットとして必要なプローブ分子の設計と合成を行った。 具体的には、活性酸素種がカロテノイドの共役二重結合の鎖を切断することで、共鳴系が切れ、光の吸収波長が短波長側へシフトすることが知られることを利用し、共役二重結合を有する近赤外蛍光色素でポリメチン色素の一つであるシアニン色素がカロテノイドと同様の反応性を示すことを、各種活性酸素種と反応させ、その吸光、蛍光スペクトルの変化を観察しながら、主な分解生成物を同定した。その後、シアニン色素と活性酸素種との本反応性が全く新しい活性酸素種プローブの原理となることを確認した。また、色素に導入されている官能基の種類(電子供与性、電子吸引性)、あるいは二重結合の鎖長などにより鎖の電子密度が異なってくるため、活性酸素種の酸化還元能の違いにより、シアニン色素との反応性が異なることを見出した。 シアニン色素一分子の蛍光強度変化を観察するだけでは、活性酸素種により単波長減少型となり、活性酸素種を検出したのか、色素の分散等による濃度の減少なのかを区別しにくいので、前述の検討で見出した最適なシアニン色素を活性酸素反応部位とし、もう一分子のシアニン色素を接続して、その蛍光特性が活性酸素種反応前後で変化しうるように分子設計し、近赤外蛍光プローブを合成した。
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Research Products
(12 results)