2008 Fiscal Year Annual Research Report
免疫染色を用いたシグナル伝達分子の発現パターンによる腫瘍のプロファイリング
Project/Area Number |
20689010
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西原 広史 Hokkaido University, 大学院・医学研究科, 特任准教授 (50322805)
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Keywords | 低分子量G蛋白 / Rac / 免疫染色 / シグナル伝達分子 / Immumoprofiling |
Research Abstract |
【免疫染色によるプロファイリング】 1. 対象組織の選定 : 大腸癌及び胃癌組織を浸潤部間質量(med, int, sci)により10例ずつ選定した。腫瘍の間質量に比例して悪性度(脈管侵襲、Stage)が高くなることが判明。 2. 対象分子の選定と分類、免疫染色の条件検討 : 検討予定だった細胞増殖群(リン酸化を検出)、アポトーシス群(発現量、リン酸化の検出)、細胞周期群(発現量、リン酸化)、受容体群(発現量、リン酸化)、その他(転写制御、細胞接着、シグナル伝達分子など)の抗体のうち、約20種類の抗体の条件検討を終了。当初、使用予定だったpERK, pP38の抗体は染色ムラが強く、使用に適さないことが判明したため、現在他の会社の抗体を選定中。また、新たに、腫瘍血管の性状を判定するための抗体群(alpha-SMA,Desmin, PDGFR-beta, CD31, VEGFR)も追加検討を行っている。 【低分子量G蛋白の活性化状態の病理組織標本での可視化】 形質転換細胞を用いた検討 : RasV12及びRacV12(ともに恒常的活性化型変異体)、あるいはRasN17及びRacN17(ともに恒常的非活性化型変異体)を強制発現させた293T細胞を、スライドガラス上に付着。風乾あるいはホルマリン固定後に染色を行った。pH6.0クエン酸バッファーにて賦活処理後、融合蛋白1ug/mlを4℃、1時間反応させ、抗GSTmAb(x200希釈)を用いて染色を行った。結果、GTP-Racが細胞質内及び細胞膜近傍に検出可能であることが判明した。しかさらなるBack groundの調整が必要である。 病理組織への応用 : パラフィン包埋セルブロックでの検討でもRacの検出が可能であった。
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