2009 Fiscal Year Annual Research Report
免疫染色を用いたシグナル伝達分子の発現パターンによる腫瘍のプロファイリング
Project/Area Number |
20689010
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西原 広史 Hokkaido University, 大学院・医学研究科, 特任准教授 (50322805)
|
Keywords | 低分子量G蛋白 / Rac / 免疫染色 / シグナル伝達分子 / Immunoprofiling |
Research Abstract |
【免疫染色によるプロファイリング】 1.対象組織の選定:胃癌20例を選定し、脈管侵襲の程度、発症年齢にて分類し下記の染色を施行。また悪性リンパ腫(T細胞、B細胞、それぞれ20例ずつ)についても、シグナル分子の検討を行った。 2.対象分子の選定と分類、免疫染色の条件検討:平成20年度までに条件検討を終了した以下の抗体を用いて、プロファイリングを行った。【シグナル伝達分子群】Crk、CrkL、DOCK180、DOCK2,pP38,COX-2,bc1-2,p53【チロシンキナーゼ型受容体群】EGFR,PDGFR-alpha,PDGFR-beta,c-Kit,VEGFR2,Her2【細胞接着分子群】E-cadherin, Claudin-5, beta-Catenin, Integrin alpha5, Integrin alphaV, Integrin beta1, CD44, MMP2, MMP7 3.結果:【胃癌】正常部に比して腫瘍部で明らかな発現上昇を認めたのが、DOCK180、COX-2、PDGFR-beta、CD44、MMP7であった。また、c-Kit,EGFRについては、明らかな発現を認める症例が20-30%認められた。脈管侵襲や間質量と相関のある分子群は同定出来なかった。40歳以下の若年発症例では、40歳以上の症例に比して有意にbeta-Cateninの核染色性が認められた。 【悪性リンパ腫】検討を行った全ての症例においてDOCK2の発現が認められた。 4.考察、意義、重要性:胃癌において、EGFRやc-kitの発現している症例については、分子標的治療が有効である可能性があり、治療法の選択枝を増やすことが期待できる。また、予後不良な若年例でb-cateninが陽性となることから、Wnt-pathwayの関与や示唆され、新たな治療戦略の策定が期待できる。
|
Research Products
(2 results)